第8回ボタンの掛け違い罰

最近更新しておらずごめんなさい。
そんな折りに恐縮だが、私の話しを聞いて欲しいと
思います。

ある時、私は急に便意を催し、
駅のトイレに駆け込んだ。
後世、黒船来襲と名付けられるほど
その訪れは突然で、私の頭を支配したペリーが
「開国しなさい、開国しなさい」と迫ってきた。

私のズボンのチャックはボタン三つで構成されている。
ズボンを脱ぐたびにいちいち着脱しなければならない、
少々厄介なものであったが、
私は便意に背中をつつかれ、

「ボタンをはずしてからズボンをおろす」

という黄金律を守らず、
とりいそぎズボンをおろしてしまったのだ。


その結果、真ん中のボタンがとれた。


事を終えた私はひとまず安堵し、トイレを出た。

だがすぐに周囲の目を気にするがあまりうろたえ始めた。

驚くほど股間が空いているからだ。

私は毛利元就の「三本の矢」の逸話から何も
学ばなかったようだ。

一つが欠けることがここまで大きな影響を
及ぼすだなんて。

三本足で立つ鼎も、二本足では立たなかったか。

そんな視座を得ながら、パーカーを下にひっぱり、
股間隠しに躍起になっていた私は今東京駅。


どうにかしなければ。

縫う?道具がない。

修理してもらう?誰にだ。
それに縫ってもらってる間、
私は半裸か?


逡巡を繰り返しているうちにふと妙案が浮かんだ。
「これだ!」とガッツポーズをしたその手を
またすぐ股間に戻す。


「一番下のボタンを真ん中にかける。つまり、
 自らボタンの掛け違いを作り出すことで、私の股間の地下鉄大江戸線が、
 白日の下にさらされることを防ぐ」

 
現状の対策としては申し分なかった。
だが、人前でそれを実行するわけにはいかない。

ふたたびトイレに駆け込んだ。

そして早速掛け違いを人工的に創り出そうと、
手をチャックに伸ばしたその時、重大な事実に気がついた。


「・・・あ、俺、3つとも止めてない。」


1つのボタンがとれたことに気を取られるあまり
残った2つのボタンを止め忘れていたのだった。
これが「灯台もと暗し」か!

もしくは「木を見て森を見ず」か!


道理で実に全開な訳だ。私は快活に納得して、2つのボタンを止め、
構内を堂々と闊歩し始めたのだった。


いやあ失敬した。私の徒然草にお付き合いいただき、
誠にありがとう。今年もよろしく。
終わり。


・・・・え、罰ゲーム紹介??
今回もう良くない?やりきった感あるよ?俺。


分かった、やるよ、やるってば。
もう厄介、厄介。お前はバイト先の社員か!

第八回 ボタンの掛け違い罰
1.使えるシチュエーション 
 ■どこでも
2.必要な道具
 ■ジャケット、スーツ、コートなど
3.罰ゲーム説明
 ■具体的な方法
  1.ボタンをわざと掛け違える。
   できれば4つくらい。
   もはや斬新なデザインの春コレに
   思われるほど大胆に。

  2.5人に「掛け間違えてない?」と言われるまで
   掛け違え続ける。

  
   以上。やってもやらなくてもいいよ。

★鳥男のダメだし★