センス・オブ・カンダー

1.使えるシチュエーション 
 ■いつでも
2.必要な道具
 ■絵本、短めの文章、簡単なスピーチ例など
3.おすすめ人数
 ■3〜4人
4.遊び方
 ■遊び説明
  聞いて聞いて、
  今日さ、空港で自分の手荷物が流れてくるのを待ってたら
  突然、股下サイズぐらいの男の子が足にしがみついて来たわけ。


  普通の人はびっくりするよね。


  たださ、俺の場合肝座ってるっていうか、なんていうか

  一瞬でわかっちゃったわけ。
 
  (こいつぁ鋭い子だ。地震が来るのを予測して近くの人につかまったな)


  ってね。


  幸い、その時は地震は来なかったんだけど。
  その刹那、後ろから女の声が聞こえてきたんだよ。
  

  「ひろ君、その人パパじゃないよ」


  ってね。


  この際、俺の勘が当たったとか外れたとかいうのはどっちでもいいことなんだ。
  もしかしたら外れたかもしれない。最悪の場合、そう解釈してもいい。
  
  ただ俺が言いたいのはこういうこと、



  子どもってかわいいよな。



  そう、確かに子どもはかわいいんだ。
  俺も将来は子どもを持ちたいよ。


  でもそれってけっこう大変なことなんだぜ。
  
  そもそも、相手がいないことには子どもはできない。
  相手と付き合うにはだいたい男が自分の気持ちを伝えなきゃならない。
  つまり、告白。
  告白は緊張するので噛んでしまう。
  告白だいなし。
  
  もし、付き合えたとしても
  たいていの場合子作りの前に結婚っていうのがある
  結婚するには働いてある程度の収入と生活レベルが必要。
  そして、夜景がきれいなフレンチレストランとかでプロポーズの言葉と指輪。
  プロポーズは初めての場合が多いので噛んでしまう。
  プロポーズだいなし。



  万難を排して、結婚できたとしよう。
  いざ、結婚して子どもができる。
  嬉しい、涙が出るよ。
  さて、名前をつけなければいけない。
  妻「かわいい女の子。あなた、名前は何がいいかしら」
  ここであなたは温めていた名前を言い放つ。


  「翔子なんてどうだろう」


  ただし、感極まってあなたは噛んでしまう。


  妻「倉庫ね。ちょっと変わった名前だけど、あなたが言うんだもの。申請しておきますわ」


  娘の名前だいなし。
  娘の青春時代だいなし。
  思春期の親子関係もだいなし。

   


  なんとか、思春期も切り抜けて家庭が安定する。
  「倉庫もあとは大学だけだなぁ。大きくなったもんだ」
  気付けばパパも部長。
  そしたら有望な部下の結婚式のスピーチとかも任される。
  スピーチは慣れないので噛んでしまう。


  結婚式だいなし。
  パパの社内評判だいなし。
  出世コースだいなし。
  不況でリストラ、娘の学費払えない、家のローンも払えない  


  そんなことにならないように。
  今から噛む練習、しとくんだぞ!


  っていうゲームだ。


 ■具体的な遊び方
  1)短い童話や、絵本、結婚式スピーチ例など、読むのに適した文章を1つ用意する。

 
  2)順番を決めて一人ずつ文章を最後まで読む。

    その際、読む人は随時、噛んだり間違えたりしなければならない。

    読むスピードやイントネーションはそれぞれでいいが、できるだけ自然に、でも異常なぐらい噛む。


  3)全員が読み終わったら講評だ。

    評価のポイントは3つある。
    
    ・真剣にやっているのに噛んでしまっている残念な雰囲気
    ・文章の大事な部分を噛みポイントとしておさえている
    ・噛んでも噛んでも何事もなかったかのように振舞うふてぶてしさ


    これだけ噛むことを意識して文章を読むことができれば
    逆に、普段どんなときも噛まなくなるし、噛んでも案外気付かれない。
    
    それでも私は噛んじゃうよ。って人
    自信を持って、
    あなたは立派なかませ犬だ。



  ★鳥男のダメだし★